「DXを実行しようとしても、実際にやる人材がいない」そんな悩みを持つ企業が増えてきています。
実際、どういう人材がDX人材なのか、その育成方法などについては、別途IoTNEWSの中で書いていきたいと思います。
それはともかく、いつもこういった新しいテーマに取り込もうとすると、人材難にぶつかります。
その昔、25年くらい前もIT人材が不足していると言われていました。ちょうど、Windows95が発売され、IT化が進んだ時代です。
ビジネスマンは乗り遅れまいと、パソコン教室に通ったり、基本の書籍を読んだりするわけですが、その一方で、子供の頃からパソコンがある若者は、そんなことをやる必要もなく、生活の中にパソコンが浸透していて、学校のレポートもパソコンで作るのが当たり前となっていたため、リテラシーのギャップが起きていました。
一方、プロフェッショナルサービスとしての、システムインテグレーションは、こういったオフィスにおけるIT活用とは違う次元で必要とされていたわけですが、パソコンの普及とともに、システムインテグレーションの仕事自体につきたいという若者が増え、その結果現在のようなIT人材が一大人材マーケットを形成したともいえるのです。
昨今、DX人材が必要とされているわけですが、ここにも同じことが起きています。
スマホが一般化していることもあって、デジタルリテラシーが極端に低いビジネスマンは少ないかもしれないですが、決して「デジタルネイティブ」とは言えない生活をしている人は多いはずです。
ディスラプター(創造的破壊者)と呼ばれる企業の多くは、世界中に広がったインターネットとスマートフォンをプラットフォームとして、リアルとデジタルの間を行き来するようなサービスを、すごいスピードで立ち上げています。
そんな中、前提として
- スマホで決済するのがあたりまえ
- スマホでモノを買うのがあたりまえ
- スマホでサービスを利用するのがあたりまえ
という状況でないビジネスマンが、DXを考えてもピントがずれた施策を考えることになるでしょう。
さらに、DXの場合、企業戦略やマーケティング・セールス、組織運営、調達から製造、メンテナンスなど企業のありとあらゆるビジネスプロセスをデジタルによって見直す行為なので、パソコンの時とは比べ物にならないくらい多くのことを習得する必要がでてきます。
そんなことができる人材が簡単に調達できるわけもなく、今後ますますこういった人材の不足が問題となりそうです。
私は、そもそもコンサルティング事業を主業としながらも、クライアント企業においては、コンサルタントなど不要で、自社の人材だけでDXを実現することができることが重要だと考えています。
そういう考えの中で、クライアント企業とともにDXを支援するだけでなく、教育や人材調達など、我々ができること、やるべきことを考えながら、アールジーンの事業を柔軟に変質させることができたらいいなと思っております。