「働き方改革」より、「暮らし方改革」

アールジーンは、2005年からスタートしているので、かれこれ15年以上の社歴があるのですが、その間さまざまなメンバーがいました。

遠隔勤務・完全在宅勤務

昨年来、コロナ禍でどこの会社でも在宅勤務が当たり前になってきましたが、アールジーンは以前から、遠隔勤務、在宅勤務のメンバーがいました。

一番遠くに住んでいるのが札幌のメンバーですが、もう長年の付き合いで、信頼関係も深いです。

いろいろ問題が起きた時も、すぐに連絡をくれたり、離れていることを前提にした気遣いをしてくれるので、遠くにいても全く気にならないし、たまに札幌に行くのも楽しいものです。

他には、産休明けに働きながら育児をしたいということで、完全在宅勤務をしていたメンバーもいます。

「どこに住むか」は、多くの人の場合、「職場の場所」に縛られていると思います。でも、「信頼関係が構築」されていて、「アウトプットするべき内容が明確」な場合は、遠隔からの勤務でも問題ないなと感じていました。

そして、昨年コロナ禍となり、全員が在宅勤務を余儀なくされました。

ワーケーションで沖縄へ

コロナ禍になったある日、いつものように社内勉強会をしていました。

通常、勉強会の日は、出勤可能なメンバーだけオフィスにあつまって、会議室でディスカッションをするのですが、その日は私がオフィスにいけなかったため、オンラインで開催したのです。

オンライン勉強会なので、ホワイトボードはパワーポイントで代替し、話の内容を理解しているかを個別に確認するようになったのです。その結果、メンバーから「この方がわかりやすい」「ホワイトボードより見やすい(私が字が下手というのもある)」というコメントをもらいました。

オンラインでの仕事を進めるのに、自分自身がオンラインでないと、こういうことに気づけなかった、と反省して、そこから勉強会はオンラインでやるようになりました。

そして、「自分が率先してオンライン勤務にならないと、みんなの気持ちがわからない」と考えるようになり、ワーケーションをしてみよう、ということになりました。

昨年の秋頃から沖縄に家を借りて、オンライン勤務をスタートしています。

余談ですが、「なぜ沖縄なの?」とよく聞かれるのですが、「クライアントがいなくて、簡単に東京にいけないから」という理由です。

個人的には葉山なんかも好きなので、それも考えたのですが、クルマに乗ればすぐに東京にもこれるし、クライアントに呼ばれたらすぐにいける状態だと、生活は大きくは変わらないだろうなと考えたからです。

この決断、実は良いことばかりではなく、悪いこともあるのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。

自由な暮らしを求めて

IoTNEWSを続ける中で、私が個人的に一番興味を持っているのが「スマートシティ」です。

取材や公演などで、世界のいろんな街をおとづれましたが、人口減少局面ということもあり、スマートシティをきっかけに街の活性化に取り組んでいらっしゃる自治体はかなり多い状況です。

そうなると、鉄道や道路、空港などのインフラ整備や利便性、ネットワーク環境の整備など、地方都市でも暮らしやすい環境も手に入れ安くなるはずです。実際、私が住む那覇市も、空港は近いし、ネットワークも安定しているので、特に困ることはなく、テレビのオンライン出演でも遅延による問題は起きていません。

東京のように、人がたくさんいないし、公園もたくさんあって、お天気の良い休日に散歩していると、心が洗われます。30分もクルマで移動すれば、美しい海や手付かずの自然を体験することができます。コロナで時短営業というのもありますが、夜遅くまで会食をすることもなくなって、健康的な暮らしになったと思います。

暮らし方そのものが変わったので、働き方は自ずと変わります。

日中集中して仕事をして、夜は切り上げるようにしないと、終電もない在宅勤務は無制限に仕事ができてしまいます。そこで、時間内に終わるように今日やることを定義して、とにかく効率的に、集中力を高めて仕事をするようになりました。

東京での仕事も月に2、3回はあるのですが、目的をきちんと定めて会議を設定しないと、時間がもったいないので、なんとなくご挨拶をしたいというようなお打ち合わせは断るようになりました。

オンライン中心での合意形成のために、資料の数をなるべく減らして、一つ一つのページを理解してもらいながら物事を進めるという習慣もつきました。

一昔前、「働き方改革」といって、新しい働き方に注目が集まることが多かったと思いますが、本当は私は自身の経験を通して、この機会に「暮らし方改革」をすべきではないかと思います。

多様な暮らし方を許容することができる会社になるため、こんな時期だからこそできるチャレンジを、これからも進めていきたいと思います。