新規医療サービス立ち上げのためのDX

医療のDX

事業構想に必要な要素を収集

AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の事業として始まったプロジェクト。

人の映像や音声の情報を活用して、ある精神疾患の重症度の判定や、初期症状を早期に発見する医療機器の開発を行い、数年以内での上市を目標にプロジェクトは開始した。

しかし、プロジェクトは多くのステークフォルダーが登場し、利害を調整するのも大変な状況だった。しかも、AIで重症度を判定するという事例自体も見当たらず、デバイスの制御からアルゴリズムの作成に至るまで、システム開発面も多くの困難が待ち構えていた。

しかも、医療機器として認可を得る必要があるため、失敗が許されない環境でもあった。

Project Overview

ステークフォルダ数

9社

検証データ種

12種類

プロジェクト期間数

3年

到達

医療機器の要件定義
事業化計画

Project Goals & Expectations


このプロジェクトは、人の映像や音声の情報を活用して、ある精神疾患の重症度の判定や、初期症状を早期に発見する医療機器の開発を行い、数年以内での上市を目標にするものだった。

プロジェクトには、この医療機器の構想を初めに打ち出した医師の所属するA大学病院、我々にこのプロジェクトのPMOの業務を委託した事業化責任者であり、かつこの医療機器の根幹となる判定AIの開発を行うB社、映像や音声情報をAIで学習できる状態にするための高精度なデジタル情報に変換する技術研究を担うC社とD社、さらにはハードウェアの開発を専門とするE社が参画しており、それぞれの思惑が錯綜していた。

このプロジェクトにおいて、研究と事業化の両方をするためには綿密な実行計画と各社をつなぐ接着剤のような役割、そして前に進めていくための推進力が必要だった。

プロジェクトにおける当社の役割

研究・事業化スケジュール策定

プロジェクト全体の各種マイルストーンを定めて、いつまでに誰がなにをやらなければならないのか管理し、想定外の課題が発生した際はステークホルダーを集めて再設定するなどコンセンサスを取りながら修正。

事業化後ビジネスプロセス定義

事業化後のサービス体制の定義やプロセス案を作成することで、事業化後のシステムや人員のランニングコストや投資コストなどをシミュレーション。

知財化の整理

開発を目指す医療機器の類似特許がないか、また知財化するため各社の技術の整理などを行いの特許事務所へ相談や知財化の段取り。

システム要件定義

各企業の持つ技術やシステムをつなぎ合わせ医療機器システム全体像の定義、また、患者の撮影や音声の取得から、一次データ化、AI解析、結果出力までの一連の処理の流れを整理し、システムの要件定義書を作成。

プロジェクト全体MTG 司会進行役

月に1回のプロジェクト全体会議では、各社と調整しagendaを作成し司会進行役とプロジェクト全体の進捗について報告する役目を務めた。

品質管理体制構築

医療機器を製造する企業としての品質管理体制の構築および品質マネジメントシステムの導入の支援。

PMDA相談、対面助言の段取りと相談資料作成

医療機器承認申請を目指し、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)への全般相談や医療機器開発前相談などの対面助言に向けた手続きや必要な資料を作成。

株式会社アールジーン 取締役/チーフコンサルタント 田宮彰仁
チーフコンサルタント 田宮彰仁

AIを活用した医療機器、ソフトウェアの開発または研究が活発に行われており、医療業界外から参入を試みるケースも多く聞きます。

医療機器は、臨床的意義が満たされているからと言って、製造してすぐに売れるものではありません。医療機器として承認されるために必要な手続きや業許可、品質管理体制の構築、さらには他社知財侵害/取得など医療機器特有の様々な課題を解決していく必要がございます。

我々はグランドデザインを示すだけではなく、それを実現するためのプロセス化、管理、そして自らが実行してプロジェクトを進めて参ります。

– 株式会社アールジーン チーフコンサルタント 田宮 彰仁

Overview of the projects’ success

ゼロからサービスを立ち上げるのは、いつもワクワクする。

しかし、プロジェクトが始まると一気に現実に戻され、その壁の高さ、多さに圧倒される。

プロジェクトを成功させるために一番必要なことは、「どうやったら成功するか」というひたすら前向きな想いではないかと思う。

次々現れる、新しい課題。いくら整理しても、また現れる。しかし、それらを一つ一つ可視化し、整理し、潰していかなければ、思ったサービスは日の目をみることがない。

戦略コンサルティングというと、ペーパーを書いて終わりというイメージが強いかもしれないが、我々はペーパーを書いた後に勝負が待ち受けていると常々思い、向き合っている。

バス事業会社におけるビジネスプロセスのDX

事例:バス事業会社におけるビジネスプロセスのDX

  • 業務横断でビジネスプロセスを可視化
  • ビジネス面での効果を考え、企業全体のDXを考慮しつつ、まずは帳票の整理から着手
  • 一つの業務を改善した結果、同じ基盤を活用して企業全体の業務見直しを実現