前回の記事(https://r-gene.co.jp/p/4811)から一ヶ月送れての更新となります。
改めて本シリーズの概要を以下に記載しておきます。
- ブログを書くのが初めてなので、何をどう書いたらいいかわからない。自分も含めてそのような人が多いのでは?と考えた。
- 提案書を書くときの方法論でブログも書けたりするのでは?という仮説をもった。
- この仮説を実証するため、本シリーズでは提案書の書き方を紹介しながらブログの書き方に転用してみる。
- 私が提案書を書くときは以下の順番で検討をする。
- 誰に対して提案をするのかを定義し、相手の課題を想像する。(前回の記事を参照)
- 課題の解決方法を検討する。
- 全体のストーリーを構成する。
- 読み手がどう思うかを想像しながら補足などを追加する。
今回は2について、営業提案時における課題解決の検討を紹介し、そこから見えるブログテーマの決め方について記載をしていこうと思います。
課題の解決方法を検討する。
前回の記事では、例としてメーカーの営業部へ提案する場合を考え、課題を以下のように例示しました。
「販路の80%が代理店経由になっているので、利益率が低いのが課題。そのために直販販路を開拓したいが、ノウハウが無いので、何をしたらいいのかわからない。」
また、この課題に対する解としてはECサイト運営やインサイドセールス体制の構築をアイデアとして記載しました。
お題目として”解決方法の検討”と記載しているので、この段階でのアイデアに精度が必要であると考える方が多いと思います。
ですが、実はこの時点では直球でストライクを狙う必要はありません。
あくまでディスカッションを行い、相手方から真の課題を引き出すための叩き台でしかないので、この時点では相手方が捕球できる精度でボールを投げられれば構わないです。
そして、このようなアイデアは”課題の解決方法を検討する”ことの1要素でしかありません。
真に解決方法を検討するには他に2つの要素を検討しておく必要があります。
1つ目は自社の提供できるサービスで、実績などに照らして親和性があるかという要素です。
当たり前のことですが、自社でできないことを提案するわけにはいきません。
ですが、この当たり前を無視して風呂敷だけ広げて提案する営業が意外と多いのも事実です。
また、実績から提案に説得力をもたせられなければ何を話しても相手のこころは開かないでしょう。
※実際には話し方やハッタリで信用させる事もできたりするので、畳めない風呂敷を広げる営業も出てくるのですが。。
2つ目は提案相手の個人的な課題は何かイメージできているかという要素です。
前回も触れましたが、提案の相手方の立場によって提案書の書き方や解決方法の提案内容も変えるべきです。
例えば提案の相手方が一担当者であった場合、この提案は最終的に担当者が決裁者に説明してもらえるものである必要があります。
従って担当者の個人的な課題を想像し、この課題を解決する手段が、担当者が決裁者に提案をすることに繋がるようなアイデアを検討する必要があります。
いまいち抽象度が高く、わかりずらいと思いますので自分が営業を受けることを想像してみてください。
コンサルとしてクライアントに何らかのソリューションを比較してメリデメを提示するような業務をする場合、各ソリューション企業へ資料請求を行い、営業を受ける事があると思います。
この時の皆さんの課題は、そもそもどのような比較軸をもってソリューションの比較をすればいいかわからないとか、最終的にどれをオススメしていいかわからないといったものであったりしないでしょうか。
このような課題感がある時に、あるソリューションの営業マンから自社商材の売り込みではなく、競合比較をする際のポイントであったり、他社商材の強みだったりを説明されたらどうでしょうか。
もちろんクライアントには客観性のある提案を行う必要がありますが、多少なりとも自分の課題を解決してくれた会社のソリューションを押したくならないでしょうか。
もしクライアントにソリューションが採択された結果、そのソリューションの運用までコンサルする場合、少しでも自分を理解してくれている営業マンのソリューションを提案したくなる気持ちも出てくるのは無いでしょうか。
逆に、自分にソリューション比較をするような業務が無い時に受ける営業はどうでしょうか。
もしかしたら自社にとって有益な情報である可能性があっても、自分ごとになっていない状況では話すら聞こうとしないのでは無いでしょうか。
つまり、話を聞こうとしている段階で自分にとって何らかメリットがありそうだと感じてくれているはずで、
そのメリットとはシンプルにその商材に興味があるだけではなく、自分にとっての個人的な課題を解決してくれるのではという期待が込められている可能性があるのです。
この課題の存在を営業マンは提案時に意識しておく必要があるのです。
まとめると提案書を記載する際には以下の三要素を踏まえて課題解決に資する提案になっているかを検討し、提案の中でどのように真の課題にアジャストしていくかをイメージしておくことが必要となります。
・会社、部署の課題感に資するアイデアになっているか
・提案担当者の解決したい課題を想像できているか。
・自社の提供できる価値とマッチした提案になっているか
ブログのテーマの決め方
さてここまでで営業提案時の提案アイデア、課題解決方法の検討方法を紹介してきました。
これをブログの作り方に落とし込むとどうなるでしょうか。
前回は”誰のどんな課題を解決するか”を検討することでニーズを調査することを紹介しました。
前回の記事ではキーワードリサーチサービスを用いて、”ブログ”という言葉を検索している人が、収益化や始め方、書き方について調べている事が多いということがわかりました。
この行為は先述の要素に照らすと会社、部署の課題を検討している行為と同義であると考えます。
従ってここでは残り二つの要素、自社の提供価値と担当者の課題がブログ制作においてどのような行為となるかを考えてみると以下のようになりました。
まず自社の提供価値ですが、ここは私が何を読者に提供できるかということと定義できます。
私の営業としての経験やスキル、コンサルトしての提案経験などがここに該当します。
次に担当者の課題ですが、これは身近な読者層、つまり自社の社員に置き換える形で考えました。
具体的には提案書の書き方がわからない、情報の整理の仕方がわからない、営業提案の方法がわからないといった課題があるのではと想像しました。
この三要素が重複する点を検討してみます。
まずブログの収益化や始め方についてはそもそも門外漢なので私が文章を書くことができません。
ブログの書き方も専門家ではないので書けないと思いましたが、自分の得意領域とかけあわせて、かつ実験的な取り組みとすることでチャレンジすることはできるかと考えました。
次に自社社員の課題という点ですが、これは自分の経験やノウハウを主体として書くことで興味をもってもらえるのでは?と考えました。
この検討によりブログのテーマを決めた結果が、本記事のタイトルとなる”提案文書の書き方に見るブログの書き方”となりました。
このように自分で提供できる価値と世の中で求められている情報、身近な読者層の課題感をかけ合わせることで興味を持たれるブログテーマの選定ができるのではと考えます。
一方でここまで書いてきて気づいた事として、ブログのテーマ選定という観点では自分の書きたい事、提供価値からスタートしたほうが考えやすいのでは?という事があります。
具体的には自分の書きたいことをキーワードに世の中で必要とされいる情報が何かを調査し、具体的に想像できる読者層が興味がある要素とすり合わせていくような方法です。
営業提案ではクライアントの課題からスタートし、自社の解決可能な課題を見つけ、相手方の個人的な課題とアジャストしていく方法論を採用していますが、
不特定多数に発信をするブログにおいては市場の課題は無限に存在するため、自分からスタートするのが良いと考えました。
この点は新たな気付きとして次回以降の記事に活かして行こうと思います。
次回は”3.全体のストーリーを構成する”という項目について紹介をしていきます。