バス事業会社におけるビジネスプロセスのDX

バス事業会社におけるビジネスプロセスのDX事例

事業横断でのビジネスプロセスを定義

以前、大手外資系コンサルティングファームによって、全部署の業務を大まかに捉えたビジネスプロセス図が作成されており、非効率な業務の洗い出しは行われていたが、各業務をどのように改善すべきかを検討するには、より詳細なヒアリングとビジネスプロセス図の作成を行う必要があった。

そこで、当社コンサルタントによって細かなビジネスプロセス図のたたき台を定義。まずは最も非効率な業務とそれを担当する部署に対して、ヒアリングを通じて、詳細なビジネスプロセス図の作成および複雑な集計業務を可視化した。

属人的な業務を紐解き、作業の流れと他部署との連携を見える化することで、DXによる改善箇所を特定、改善案を提示した。

Project Overview

プロセス数

381

帳票数

70

改善項目数

57

到達

100時間の業務削減

Project Goals & Expectations

バス会社では、十数年前に開発された業務システムが林立しており、システム間連携が行われていなかった。

そのため、担当者は別々のシステムに同じ情報を登録しなければならなかった。また登録作業は人手に頼った作業になるため、各システムに入力した情報が正しいかどうかをチェックする必要もあり多くの無駄があった。

担当者は本来であれば新しいモビリティサービスなどの施策に取り組みたいものの日常業務に忙殺されて、後回しになってしまうと話した。そこで本プロジェクトは、現場の非効率なオペレーションを改善し、従業員をより付加価値の高い業務に取り組んでもらうことを狙いとして、はじまった。

プロジェクト実施フェーズ

フェーズ1

キックオフミーティングを実施。バス事業者と既存ベンダーを交えて課題感を共有。プロジェクト推進体制の確認。

フェーズ2

プロジェクトの目的・方針を決定。あるべき像の実現には、ビジネスプロセス図を作成し、現状の見える化を行う必要があることを確認。

フェーズ3

ヒヤリングにより、大きな課題となっているビジネスプロセスを特定。ヒヤリングにおいては、担当者の日常業務に支障が生じないヒアリング体制を提案。また、業務に使用しているシステムや帳票についても、都度業務担当者より入手。

フェーズ4

詳細のビジネスプロセス図についてたたき台を作成。内容について現場担当者に確認し、随時修正を行った。これを何度も繰り返すことで精度向上を測った。

フェーズ5

完成したプロセス図をもとに、改善箇所を特定、改善案を提案。現在、鋭意改善活動中。

コンサルタント 石井 庸介
コンサルタント 石井 庸介

業務分析においてすぐみえるアウトプットが帳票です。

しかし、現場に入ると70種類もの帳票が使われていることがわかり、「誰が」「何のために」「何をインプットとして作成するのか」さらに「それが誰に渡され」「どのように処理をされるのか」これらを整理していくことが大変でした。

しかし、ビジネスプロセス図を作成するうえでは避けては通れないため、工夫をしながら整理しました。

そして、この帳票同士の関係性を図に起こすことで、関係者全員が業務改革をしなければならないポイントを理解し、共通認識を持つことができました。

– 株式会社アールジーン コンサルタント 石井 庸介

Overview of the projects’ success

業務整理と一言で言っても、簡単ではない。

「ビジネスプロセスを教えてください。」と言っても、社内に明確に説明ができる人がいないのが常だからだ。

そんな中、ヒヤリングにより、ある程度の業務理解をしたら、自分たちでドラフト資料を作成し、現場にぶつけて修正する。これを気の遠くなるステップ数の業務に対して行うことで、業務プロセスをようやく可視化することができるのだ。

これは、想像力と、とてつもない粘り強さが必要で、誰にでもできる作業ではない。しかし、これをやり抜くことで、企業内に地図ができ、改善箇所を明確にし、その効果を顕在化することが可能になるのだ。

医療のDX

事例:AIを活用した全く新しい医療サービスの立ち上げ

  • 医療分野でのサービス立ち上げに必要な手続きを調査
  • 事業化可能なサービスを立案
  • 大学教授や各種機器ベンダなど複数のステークフォルダを調整
  • サービスの立ち上げに必要なPMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)の機能も果たす